for beginners初心者の方へ
飼育方法
クワガタ・カブトムシの基本的な飼い方
この項目は初心者の方へご案内する一般的な飼育方法であり、全ての種がこの限りではありません。
飼育温度等、種別に異なるものもありますので特別な飼育が必要なものについては販売店にご相談ください。。
飼育ケースに成虫管理マットを床材として入れ、転倒防止のため、転倒防止バークやエサ皿、木の皮などをおき、昆虫ゼリーを入れます。
クワガタ・カブトムシはひっくり返った時に起き上がろうとしてもがきます。
- ※このときに足場がないと力尽きて最悪死んでしまうことがありますので、必ず入れてあげてください。
- ※雄と雌を同時に飼うときは雄が雌を殺してしまう場合がありますので、必ずケースに仕切りを入れてください。

針葉樹マットは防ダニ・防コバエ効果と、針葉樹の香りでインテリアとしても最適です。

仕切りで分けることで雌殺しを防止。

成虫の大きさに合わせて飼育ケース・えさ皿・ゼリーサイズを調整してください。
クワガタ・カブトムシは成虫になってから後食(こうしょく)が始まるまで、繁殖活動は行いません。
エサを食べ始め、十分に成熟した個体でペアリングさせてください。
ワイルド(野外採集)個体の雌は既に交尾済みのものが多く、ペアリング無しでも産卵する場合がありますが、産卵しない場合は人工的にペアリングさせてあげても構いません。(追い掛けと言います)
ペアリングは同じケースに、オスとメスのペアを入れてあげれば良いのですが、気をつける点がひとつ。
雄が雌を殺してしまう場合があります。
雌殺し予防として雄の大アゴ(クワ)を針金などで縛ってしまうのが効果的です。

この針金をオスのアゴに取り付けるだけ。とっても簡単です。

大アゴが開かないように閉じた状態で固定してください。
交尾が確認できたらオスの大アゴはほどいてください。
交尾が確認されたら雄を取り出して別のケースで飼育してください。
交尾が確認できない場合はエサを入れて1日~2日様子を見てください。
ペアで物陰に隠れて、雄が雌を守るような反応を見せたらOKです。
交尾が終わればいよいよ産卵の準備です。産卵セットの組み方については下記をごらんください。
- ※直接産卵セットにペアを入れて交尾させることも可能ですが、その際には十分なエサを与えてください。
- ※産卵のための栄養分を確保する為に、雌が雄を捕食してしまうことがあります。
- ※交尾が完了したら、雄はなるべく早く別ケースへと移してください。
クワカブは産卵するのに特別なセットを用意する必要があります。
雌が幼虫が育ちやすい環境に卵を産みつけるため、産卵環境を人工的に用意してあげましょう。
クワガタ産卵セット(オオクワガタ・コクワガタなどの基本種)~用意するもの~
産卵木
飼育ケース(中)
-
水(井戸水、ミネラルウォーター)
水道水を使用する際は1晩以上汲み置きしてカルキを抜いてください。1.5Lペットボトル2本ほど水道水をいれて、蓋をあけたまま1晩以上おいてください。
-
クワガタマット
新品のマットを使用する際は必ず十分なガス抜きを行ってください。
あると便利なもの
- ・ノミまたは金属ヘラ
- ・大き目の容器(タライや洗面器でもOK)
- ・おもりになるもの(ここでは飼育ケース小で代用)

皮を剥ぐ
ノミや金属ヘラで皮を剥ぎます。

内皮をそぎ落とす
皮と幹部分の間のザラザラも綺麗にそぎ落とします。

産卵木を水につける
産卵木が完全に浸かるように上からおもりを乗せます。今回は小ケースに水を入れて乗せています。この時に水に一握りのマットを溶かすと、カビ予防になります。

日陰干し
木の水分が多すぎる場合は産卵木を日陰干しし乾かします。
水分が多すぎると卵が腐ってしまう事があるので注意してください。

マットに水を加える
ガス抜きをしたマットに水を少しずつ加えよく混ぜます。水分が多すぎるといけないので少しずつ加えてください。

水分量を確認
片手で握って団子が崩れない程度。このときに水が染み出てくるようだと水分が多すぎます。

マットを堅詰めする
飼育ケースにマットを入れてしっかり堅詰めします。

5cm堅詰め
ケースの底から5cm程度の深さまで堅詰めします。

産卵木を並べマットを被せる
産卵木を均等にならべて上からマットを被せます。並べる前に産卵木全体にマットを擦り付けておくと防カビ対策になります。

3分の2程度埋め込む
産卵木の2/3程度までマットに埋め込みます。産卵木の隙間にもしっかりマットを詰めてください。

転倒防止・保湿対策
転倒防止バーク・水苔などを敷き、転倒防止と保湿対策をします。産卵中の雌のエサとなるゼリーを多めに入れます。産卵にはかなりのエネルギーを必要とするので高タンパクな専用ゼリーがオススメです。

交尾済みの雌投入
交尾済みの雌をいれ蓋をしたら、3~4週間ほど保管します。エサ交換は1週間に1回程度で、保管中はなるべく開けたり移動したりショックを与えないようにしてください。

【産卵後】
メスが産卵木をかじり卵を産みつけた後の様子です。
産卵が済んだメスは飼育ケースに戻すか、新しい産卵セットを組めば、続けて産卵することもあります。
産卵は雌への負担が大きいので十分にエサをあたえ休養期間をもうけるのも良いです。
産卵セットに入れたまま飼育を続けると、栄養補給のために卵や幼虫を捕食してしまう場合がありますので、産卵が確認できたらメスは産卵セットから出してください。
カブトムシ産卵セット ~用意するもの~
飼育ケース(大)
-
水(井戸水、ミネラルウォーター)
水道水を使用する際は1晩以上汲み置きしてカルキを抜いてください。1.5Lペットボトル2本ほど水道水をいれて、蓋をあけたまま1晩以上おいてください。
-
カブトマット
新品のマットを使用する際は必ず十分なガス抜きを行ってください。
あると便利なもの
- ・大き目の容器(タライや洗面器でもOK)

マットに水を加えよく混ぜる
ガス抜きしたカブトマットに水を加えよく混ぜます。水分が多すぎると卵が腐ってしまうので、少しずつ加えてください。

水分量を確認
片手で握って団子が崩れない程度。このときに水が染み出てくるようだと水分が多すぎます。

5cm堅詰め
飼育ケースにマットを入れてガチガチに堅詰めします。ケースの下に雑誌などをかませるとケース破損を防止できます。
ケースの底から5cm程度の深さまで堅詰めします。

さらに5cm堅詰め
更に5cmマットを堅詰め(合計10cm)します。雌が適した圧力を探って産卵をする為、2層に分けます。一度に10cmの堅詰めより2度に分けてください。

さらに5cmマットを被せる
このときは堅詰めせず、5cm程度の厚さでマットを被せるだけでOKです。
産卵セットでの産卵がおわり、1ヶ月ほどたつと、初令幼虫が確認できるようになります。
せまい容器では幼虫達が窮屈になってしまうので、一頭ずつ別の容器にうつしてあげなければいけません。
~用意するもの~
大き目の容器
430cc空プリンカップ
菌糸ビン
昆虫スプーン
-
あると便利なもの
・トレイ
・マイナスドライバー

幼虫を確認
幼虫が孵化してマット内を移動しているのが確認できます。卵の状態で割り出してもOKです。

容器を裏返し中身を取り出す
産卵木をセットから取出し、新聞紙や大き目の容器にケースを逆さまに置き、幼虫や卵を潰さないようにそっと裏側を叩きます。

卵・幼虫の割出し
幼虫・卵をつぶさないように注意しながら、ドライバーで産卵木を割っていきます。
マット中の卵や幼虫は手でそっとほぐしながら取出します。

割出し中の幼虫
割出した卵・幼虫は黒い器に少量のマットと一緒に置くと見落としがなくなり便利です。この時に幼虫・卵だけを移してしまうと乾燥してしまうので必ずマットと一緒にしてください。小さな幼虫・卵は昆虫スプーンを使って素手で掴まないように注意してください。

割出し完了
既にマットを食べてお腹が黒くなっている幼虫は菌糸ビンに入れて育てると大きくなりやすいです。
まだお腹が白い幼虫や卵は菌糸に巻かれて死んでしまう事がありますので、空のプリンカップにマットと一緒に入れて様子を見てください。幼虫は必ず1匹ずつ分けて個別に飼育しましょう。

菌糸に穴を開ける
菌糸ビンの中央に幼虫が収まる大きさに穴を開けます。

幼虫を入れる
幼虫を入れる際に、産卵セットのマットを少量入れてあげると、急激な環境変化が少なく、幼虫が安心します。幼虫は自分で菌糸の中に潜っていきます。
(産卵セットにコバエが発生している場合は新しいマットを入れてください。)
菌糸で飼育するのはクワガタ幼虫のみです。カブト幼虫はマットのまま飼育して構いません。
菌糸ビンは、削った部分が再度発菌し白くなります。掘り出した菌糸クズが幼虫を取り込んでしまうことがありますので、幼虫と一緒に入れないでください。
卵や白い幼虫をマットに入れるときは、空のプリンカップに産卵セットのマットをいれて中央に穴をあけて1頭ずつ入れてください。
フタに小さな通気口をあけて閉じてください。卵や幼虫が菌糸に移せる状態になったら菌糸ビンに移してください。